


赤の天ぷら

梅干しを天ぷらにすると

そばやうどんには、天ぷらが乗っているものがとても人気が高いですね。
何も乗っていない素うどんやそばと比べてはもちろんですが、あげが乗っているきつねうどんやたぬきそばと比べても、天ぷらが乗っている天ぷらそばや天ぷらうどんは見た目にも豪華でボリューム感あるものとなります。
実は天ぷらとそばには浅からぬ関係があります。
天ぷらは元々江戸時代に屋台として始まったものであるということが分かっていますが、そばも天ぷらと同じように屋台として始まったものであるといわれているのです。
天ぷらの屋台が並んでいたころの江戸では、同じ時期に天ぷらの屋台の隣に自然な形でそばの屋台が並んで、2種類の屋台でそれぞれ作られた天ぷらとそばが合わさって、天ぷらそばは食べられるようになっていたのだそうです。
そばやうどんのメニューには、他にも卵とじや鶏肉が入った南蛮、その両方が入った親子南蛮など、バラエティ豊かなものがありますが、天ぷらそばやうどんといえば、これらのメニューの中でも花形であるといえそうです。
屋台の天ぷらが売られていたころは、天ぷらの衣に緩めに溶いたうどん粉などを使っていたといわれているので、このうどん粉を利用して、天ぷらとうどんをそれぞれ作るという考えにたどり付いたのかもしれません。
現在天ぷらそばやうどんの上に乗っている天ぷらの人気はかき揚げとエビの天ぷらに分かれています。
天ぷらそばやうどんに乗っている天ぷらはどのような形でも良いというものではなく、エビの天ぷらが好きな人も、かき揚げの天ぷらが好きな人も、それぞれにこだわりを持っているようです。
また、天ぷらそばやうどんのだしにしっかりと漬かって味が天ぷらの衣にしみこんでいる天ぷらが好きな人もいれば、柔らかい食感のそばやうどんとは対照的なサクサクとした食感の天ぷらを食べたいという好みを持っている人もいます。
天ぷらそばや天ぷらうどんには、人によってこだわりがある、庶民の味の組み合わせでありながら、きちんと高級感も味わえるメニューなのです。